ニューヨーク初 “ゼロ・ウェイスト”のグロッサリーストア (PRECYCLE)

ニューヨークは最先端な街だと思われがちですが、長年住んでいる私は1つだけ本当に遅れているなぁと思うことがあります。

それは、ニューヨーカーの環境問題についての意識の低さです。

私は結婚する10年以上前に、オーストラリアに1年間住んでいたことがありました。私の自然を少しでも大切にしたいという意識は、このオーストラリアでの経験から徹底的に日常生活に染み込んでいきました。そこでの生活は毎日ホテルで忙しく勤務していたものの、仕事が休みの日になると、同僚や知り合いと一緒に山や海、湖や牧場などに出かけてたっぷり自然と触れ合い、美味しい食事をしてまた忙しい仕事の毎日に戻るといった生活でした。

人の手が加えられていないそのままの美しい緑や海は、そこに住む生き物たち無しでは語れません。そこに住む人々、国の行政は当たり前のようにその自然をとても尊重し、大切にし、人間と自然とが共存しています。

「本物の野生の動物や自然の美しさを知らないと、心から自然は大切にできない」と仲良くなったご夫婦のオージーの旦那さんはよく言っていましたが、ニューヨークで生活をしていると本当にその通りだなといつも思ってしまいます。

ここ数年、ニューヨークでオーガニックブームが起こり、それとともにサンフランシスコや他の州から環境問題への取り組みがやっと流れてきているといった印象があります。ですが、まだまだニューヨークはディスポーザル天国です (笑)。結婚でニューヨークに戻ってきた8年前から、私は常にマイバックとマイカップの使用を徹底していますが、未だにそれを珍しがる定員さんやニューヨークの知人は少なくありません。

そこで、皆さんに知っていただきたいのは、ゼロ・ウェイスト(Zero Wast)です。今、西海岸を中心に話題になっているこの取り組みををご存知でしょうか? ゼロ・ウェイストとは無駄な消費、浪費やゴミをなくそうという考え方です。

そのパイオニアのBea Johnsonさんは男の子三人の子育てをするフルタイムワーカーで、ゼロ・ウェイストの生活をサンフランシスコでおしゃれで機能的に何年も続けています。

 

私はこの映像をユーチューブで見て、このゼロ・ウェイスト・ホームに少しでも近い生活をしてみたいなと憧れるようになりました。

そんな中、去年2018年の12月についにニューヨークにも待望のゼロ・ウェイストのグロッサリーストア、PRECYCLE がブルックリンのブシュウィックというエリアにオープン。
> PRECYCLE webサイト

ずっと行きたくてしょうがなかったのですが、1歳児の育児に追われ、私が住むアストリアからブルックリンまでが遠いこともあり、買い物に行くタイミングを逃していました。ですが今回、息子と二人で少し遠いお出かけ気分で電車に揺られながら行ってきました。

まず私がしたことは、事前にこのお店が取り扱っている品物リストをオンラインで確認。(https://www.precyclenyc.com/what-we-stock)

ちなみにほとんどの商品がオーガニックで、ローカル産の物は表示がしてあります。私はニューヨークのCatskillのはちみつが大好きでよく購入していますが、ここでも取り扱っているので絶対買いたいと思っていました。


今回の買い物リストはこちら。

  • はちみつ
  • 紅茶
  • コーヒー豆
  • リンゴ
  • バナナ


ここで重要なのは、それらを入れるための容器をきちんと持参して行くこと。今回はストローラーでの電車の乗り換えがあるので、割れてしまうのを防ぐために、はちみつと紅茶の茶葉を入れる小さな容器はガラスの瓶 (マスタードとジャムの空き瓶。洗ってずっと再利用しています) にして、コーヒー豆を入れるのはジップロックのタッパーを持参。シーソルトのための容器は今まで使っていたお塩のパッケージの袋をそのまま持っていきました。(ジップロックのタッパーは知人がうちに手料理を持ってきてくれた時に頂いたものをずっと使っています。プラスチックの容器や空き瓶、何度もパッケージの袋を再利用するのもゴミを減らすためです)。また、他にもし必要なものがあったら入れて帰れるように、タッパーを2つ余分に持って行きました。

Lトレインのジェファソン・ストリート駅で降りて、サイプレス・アヴェニューに向かってまっすぐ歩いていくと、駅前よりは人出が少なく工場などがあり「大丈夫かなぁ。迷ったかな」と不安になりましたが、トゥルートマン・ストリートが見えるのですぐに分かります。このお店は入り口がとても分かりやすいです。入り口では、ストローラーに乗せた赤ちゃん連れと気づいたオーナーさんがすぐにドアを開けてくださいました。

お店に入って私がすぐに思ったことはお店全体がとても清潔だということです。全て量り売りのお店なので少し汚れていそうなイメージがあったのですが、本当に綺麗に清潔さを保っています。

まず買い物をする前に、持ってきた容器や袋を全て計量します。容器1つ1つを計量するたびにテープを貼って、その重さをペンで書いていきます。最後全ての品物を計量するときにこの容器の重さを引いてお会計するので、とても大切な作業です。

 

ここでは購入したものを入れる容器や布の袋、マイバックなども購入できます。全部とてもおしゃれで買いたくなりました。

最初はシーソルトを“clean spoons”と書いてある容器から綺麗なスプーンを1つ使用して、持参した袋に欲しいだけ入れていきました。そして使い終わったスプーンは“used spoons”と書いてある容器にきちんと入れます。スプーンの他に、上戸も用意してあります。

同じ要領で紅茶の茶葉も持参した瓶に入れました。紅茶は2種類あって今回私はイングリッシュ・ブレックファーストを購入。

 

コーヒー豆は写真で1番右にあったエチオピアン・コーヒービーンズを購入。

 

はちみつとメープルシロップは“アシスタントに声をかけてください”と表示があったので、オーナーさんに声をかけるとすぐに対応してくださいました。ローハニー(生はちみつ)なので下に塊が沈殿していてなかなか出て来なくてどうしようかなぁなんて話していたら、オーナーさんがナイフで少し沈殿している塊を掘り出してくれて、ブァーっとゆっくり出てきました(笑)。『It means real row honey.』本物の生はちみつってことですね、と笑いながらいうと「店内の温度も低めにしてあるし自然な生はちみつだからよくあるのよ」とおっしゃっていました。

 

今回は購入していませんが、他に洗濯用洗剤 (粉末)、食器用洗剤 (液状)、カスティール・ソープ (液状) なども全て環境に優しいものを揃えています。我が家は人の体や掃除や食器洗いは全てオーガニックのカスティール・ソープで統一しているので、今使っているガロン (4リットル) の中身がカラになったらここでリフィルを購入しようと思っています。

最後にバナナとリンゴを持ってレジに行くと容器に入れた品物を1つ1つ計量し、持参した容器の重量分を引いてお会計をしてくれます。

 

お会計を終えてオーナーさんの写真も撮らせていただきました。

その時オーナーさんが私の”BAGGU”のレモン柄のブルーバックを可愛いと言ってくださいました(笑)。私が長年愛用しているリユーザブル・バックはここニューヨークのブルックリンで誕生したBAGGUです。デザインも可愛くサイズのバリエーションも豊富です。(https://baggu.com)

ところで買い物中はずっと息子の機嫌が悪く、大きな声を出していました。しかしオーナーさんはそんな息子や私にも優しく接してくれました。とても素敵な方です。「日本語のウェブサイトでこのお店を紹介してもいいですか?」と尋ねると快く承諾してくださいました。日本の情報誌の取材が今までにもたくさんあったとのこと。

 

アストリアの自宅に帰宅後に買ったものを全て袋から出して、改めて思ったことがありました。
プリサイクルに容器を持って行って中身だけ買うと、そのまま買ったものを棚に入れるだですぐに使えるのです。ニューヨーカーの皆さんに声を大にして言いたいです。

『ものすごーく楽 !!』

パッケージを開けたりハサミで切ったりしなくていいので、面倒臭い事が大嫌いな私は感動しました。

もう1つ私が大満足なのは、全て量り売りですので必要なものを必要な分だけ購入できることです。

例えば塩。アメリカのマーケットで売ってる塩はすごく大きなパッケージに入っていて、使っている途中に固まって出てこなくなったりしてイライラします。しかし、プリサイクルでは必要な分だけ持参した容器や袋に入れて購入できるので、食材の無駄も省けて本当に助かります。

次はもっと色々な食材(特にオーガニックのショートグレインの玄米を狙ってます)をそれぞれ多めに購入したいので主人と一緒に行こうと思っています。

やはり、車があればやっぱりとても便利ですね。ですがここはニューヨークです。私の住む小さなアパートではコンポストの設置も無理ですし、車なしで生活している私のようなニューヨーカーはグロッサリーショッピングで大量のガラス容器を持ち歩くのはとても大変な事です。だから私も自分が無理せずできるだけの範囲で環境問題を意識をしながら生活しています。私は少しの事をコツコツずっと続けることが1番大きな結果につながると考えています。ニューヨークで忙しい生活をしている一人一人が少しづつでも意識を持って毎日過ごすだけで、大量のゴミが減っていくことを祈っています。

 

余談ですが、結婚して間もなくネットフリックスで『Bag it』というドキュメンタリー映画をみました。
この映画の製作者はプラスチックという存在が動物だけではなく、私たち人類にどれだけの害を及ぼし、この世界を支配しているか、という真実を少しコメディータッチで追及しています。この映画の中で言及しているのは、アメリカではリサイクルのゴミをきちんとリサイクルできないでいる現状。そして、埋め立て地がいっぱいになってしまうと、アメリカは自分たちの廃棄物を発展途上国に売るのです。そこで焼却されるプラスチックは有害なガスを出し、そこに住む子供たちが被害にあっています。毎日無意識に使っている全ての『使い捨て』の便利なものが水、土、空気を汚し、生き物の命を滅ぼし、私たち人間の健康を害しているのです。

私たち夫婦の結婚生活もできるだけ毎日ゴミを出さないように意識しています。なるべくパッケージのないプロダクトを購入するようにしている他、もちろんグロッサリーバッグは常に持参しますし、外で飲むコーヒーも持参したカップで飲みます。ですが、どんなに意識していても毎週食品や日用品の包装に使われているプラスチックを無くすことは困難です。少しでも環境問題に向き合う人が増えれば、世界の廃棄物は激減するはずです。このゼロ・ウェイストのグロッサリーストアがもっともっとニューヨークにも広がって、お店が増える事を心から望んでいます。

私の住むアストリアにもできてくれたらいいのにな。

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